はじめに
この記事では、以下の3つの項目を復習・整理することを目標にしています。
①当座預金の基本事項
②当座預金の帳簿上残高と銀行口座残高の不一致の原因6つ
③銀行勘定調整表の作成方法3つ
それではよろしくお願いします。(※使用教材の第3章「預金」を参考に作成しています。)
当座預金
#当座預金とは
企業などが取引先への支払いのため(小切手・手形を利用するため)の銀行預金口座です。
#当座預金の特徴
・利息が付かない
・小切手・手形の利用が可能
・預金通帳がない(取引明細書やネット照会)
#小切手の仕訳とタイミング
・振出人(支払側)の仕訳:小切手発行時に「当座預金」を貸方で減らす
借方 | 貸方 |
200,000円 | 備品当座預金 200,000円 |
・受取人(受取側)の仕訳:小切手受取時点で「現金」として借方で増やす
借方 | 貸方 |
200,000円 | 現金売上 200,000円 |
#帳簿上残高(企業側)と銀行口座残高の不一致の原因6つ
企業側と銀行側で当座預金残高の不一致が起こる原因は、企業側で修正仕訳が必要な「連絡未通知・仕訳誤記入・未渡小切手」の3つと、銀行側残高を調整すればよい「未取付小切手・未取立小切手・時間外預入」の3つの、計6つの原因があります。以下の表にまとめています。
不一致の原因 | 内容 | 修正仕訳 |
連絡未通知 | 銀行側で入出金があったが、企業側には通知されておらず、当座預金が仕訳されていない状態。そのため、帳簿上で仕訳を追加する必要がある。(帳簿上で加減判別要) | 〇 |
仕訳誤記入 | 誤仕訳により企業側の残高が誤っている状態。そのため、正しい内容に帳簿上で仕訳を修正する必要がある。(帳簿上で加減判別要) | 〇 |
未渡小切手 | 小切手を作成したが相手に渡しておらず、自社に保管されたままの状態。(企業側は当座預金減少済だが、銀行側は何もしていない(できない)状態。)そのため、帳簿上で仕訳を修正する必要がある。(帳簿上で加算) | 〇 |
未取付小切手 | 小切手を振り出したが、相手がまだ銀行に呈示していない状態。(企業側は当座預金減少済だが、銀行側の残高は減少していない状態。)決済タイミングのズレによる差異のため、修正仕訳不要。(銀行側で減算) | × |
未取立小切手 | 小切手を受け取り、銀行に取立依頼をしたが、未入金の状態。(企業側は当座預金増加済だが、銀行側の残高は増加していない状態。)決済タイミングのズレによる差異のため、修正仕訳不要。(銀行側で加算) | × |
時間外預入 | 銀行営業時間外に夜間金庫へ現金・小切手を預けた。企業側は当座預金増加済だが、銀行側の処理は翌日以降になるため、一時的に銀行の残高が少ない状態。(銀行側で加算) | × |
銀行勘定調整表
#銀行勘定調整表とは
帳簿上の当座預金残高と銀行口座残高(銀行残高証明書)を一致させるための分析表です。
#3つの調整法
①両者区分調整法
企業帳簿側 | 銀行口座残高側 |
調整前残高:〇〇円 | 調整前残高:✖✖円 |
±連絡未通知 | -未取付小切手 |
±仕訳誤記入 | +未取立小切手 |
+未渡小切手 | +時間外預入 |
調整後残高:●●円 | 調整後残高:●●円 |
・修正仕訳必要項目(連絡未通知、仕訳誤記入、未渡小切手)は「企業帳簿側(左側)」に記載します。
・修正仕訳不要項目(未取付小切手、未取立小切手、時間外預入)は、「銀行口座残高側(右側)」に記載します。
・修正後、調整後残高が、左右で等しくなれば良いです。
②企業残高基準法
企業帳簿側 |
調整前残高:〇〇円 |
±連絡未通知 |
±仕訳誤記入 |
+未渡小切手 |
+未取付小切手 |
-未取立小切手 |
-時間外預入 |
調整前銀行口座残高側:✖✖円 |
「企業帳簿側」からスタートして、「調整前の銀行口座残高側」に合わせます。
表は見やすくするためにこの順番で記載していますが、通常はプラス→マイナスの順で記載します。
③銀行残高基準法
銀行口座残高側 |
調整前残高:✖✖円 |
-未取付小切手 |
+未取立小切手 |
+時間外預入 |
±連絡未通知 |
±仕訳誤記入 |
-未渡小切手 |
調整前企業帳簿側:〇〇円 |
「銀行口座残高側」からスタートして、「調整前の企業帳簿側」に合わせます。
表は見やすくするためにこの順番で記載していますが、通常はプラス→マイナスの順で記載します。
①「ふくしままさゆき」さんのYouTube解説動画はこちらからどうぞ(預金前半)
②「ふくしままさゆき」さんのYouTube解説動画はこちらからどうぞ(預金後半)
※初めての方は、こちらの記事から読んでいただけますと幸いです。
