仕訳No.07 「割賦・クレジット」

No.7割賦購入 2級商業簿記

割賦購入

#割賦購入とは

代金を一括で支払わず、割賦契約を交わし複数回に分けて分割購入すること。分割払いをすると、一括払いと比較して支払い期間延長に伴い、利息がかかるため、支払う金額は高くなる。2級では、購入者側の仕訳のみ学習する。(販売者側の仕訳は1級の範囲)

計上される利息は、2級では定額法(毎回同額)のみが範囲だが、利息法(残元本に利率を乗じる)もある。(利息法は1級の範囲)

パターン①:月賦払い、決算をまたがない、前払利息で計上

例:950,000円の機械を、「毎月末100,000円の支払いで10回の分割払い」の割賦契約で購入した場合

・購入日の仕訳

(借)機械装置950,000円
(借)前払利息50,000円
(貸)未払金1,000,000円

※理論上は、未払いであるのに、前払利息を勘定項目として使用するのはおかしいのだが、差額があるため借方を何かで埋めないといけないため、強引にこのような処理をする。

・毎月末の仕訳

(借)未払金100,000円
(借)支払利息5,000円
(貸)当座預金100,000円
(借)前払利息5,000円

パターン②:月賦払い、決算をまたぐ、支払利息で計上

例:2月10日に、950,000円の機械を、「毎月末100,000円の支払いで10回の分割払い」の割賦契約で購入した場合(決算日は、3月31日)

・購入日の仕訳

(借)機械装置950,000円
(借)支払利息50,000円
(貸)未払金1,000,000円

・毎月末(決算月以外)の仕訳

(借)未払金100,000円 (貸)当座預金100,000円

・決算月末の仕訳

(借)未払金100,000円
(借)前払利息(前払費用)40,000円
(貸)当座預金100,000円
(借)支払利息40,000円

※検定試験では、「前払費用」という勘定科目で指定される場合もあるので注意。前払利息/保険料/家賃など分けるのが一般的。

パターン③:月賦払い、決算をまたがない、手形払い

例:950,000円の機械を、「毎月末100,000円の支払いで10回の分割払い」の割賦契約で購入した。支払いは、毎月末を期日とした額面100,000円の約束手形を10枚振り出して、売主は取立依頼をした場合。

・購入日の仕訳

(借)機械装置950,000円
(借)前払利息50,000円
(貸)営業外支払手形1,000,000円

・毎月末の仕訳

(借)営業外支払手形100,000円
(借)支払利息5,000円
(貸)当座預金100,000円
(借)前払利息5,000円

パターン④:月賦払い、決算をまたぐ、決算時に利息の支払い

例:2月10日に900,000円の機械を、「毎月末10,000円の支払いで100回の分割払い」の割賦契約で購入した場合(翌期に期限の到来する分を流動資産・流動負債の科目に振り替える手続きは省略、決算日は3月31日)

・購入日の仕訳

(借)機械装置900,000円
(借)長期前払利息100,000円
(貸)長期未払金1,000,000円

・決算月以外の仕訳

(借)長期未払金10,000円 (貸)当座預金10,000円

・1年目の決算日の仕訳

(借)長期未払金10,000円
(借)支払利息2,000円
(貸)当座預金10,000円
(借)長期前払利息2,000円

・2年目以降の決算日の仕訳

(借)長期未払金10,000円
(借)支払利息12,000円
(貸)当座預金10,000円
(借)長期前払利息12,000円

パターン⑤:年賦払い、決算をまたぐ、決算時に利息の支払い

例:2月10日に880,000円の機械を、「1年に1度(1月31日)100,000円の支払いで10回の分割払い」の割賦契約で購入した場合(翌期に期限の到来する分を流動資産・流動負債の科目に振り替える手続きは省略、決算日は3月31日)

・購入日の仕訳

(借)機械装置880,000円
(借)長期前払利息120,000円
(貸)長期未払金1,000,000円

・1年目の決算日の仕訳

(借)支払利息2,000円 (貸)長期前払利息2,000円

・毎年1月31日の仕訳

(借)長期未払金100,000円 (貸)当座預金100,000円

・2年目以降の決算日の仕訳

(借)支払利息12,000円 (貸)長期前払利息12,000円

クレジットカード払いでの販売

#クレジットカード払いとは

信販会社(カード会社)が販売者に立て替え払いをして、後日、購入者が信販会社へ支払いをする仕組み。割賦契約との違いは、下記一覧表を参照。

割賦契約とクレジット取引の違い
割賦契約 クレジット取引
支払先 売主に直接 信販会社(カード会社)経由
貸倒リスクを負担 売主自身 信販会社
総受取額 商品価格+利息 商品価格-手数料(例:2%)

例:A店(購入者側)がB店(販売者側)から100,000円の機械をクレジットカードで購入した場合(信販会社はC社、取扱手数料(販売代金の2%)は販売時に計上)

・B店の販売日(A店のネット上購入日)

B店 (借)クレジット売掛金98,000円
(借)支払手数料2,000円
(貸)売上100,000円

・C社からB店への振込

B店 (借)当座預金98,000円 (貸)クレジット売掛金98,000円

※この後、A店からC社へ一括払いもしくは分割払いで支払いが行われる。

※「ふくしままさゆき」さんのYouTube解説動画は こちらからどうぞ(割賦購入の解説)。

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